透明水彩 ムベの実 watercolor

透明水彩画 知っておきたいポイント

透明水彩と不透明水彩はどこが違う?

同じ水彩絵具ですが・・・

透明水彩(画)は英語で Watercolor(ウオーターカラー)、フランス語では Aquarelle(アクアレル)です。対して不透明水彩はフランス語でガッシュ(Gouache)と言います。英語では Opaque(オペーク)が「不透明な」の意味ですがこの言い方は聞きいたことがありません。もっぱらガッシュです。

日本では「水彩絵具」と一括りに呼ばれるため勘違いをしている人が大勢います。特に初めて水彩画を描きたいという方に多いのが気になります。 また初めて透明水彩絵具を求める人が「マット水彩絵具」を購入することがよくあります。この「マット=matte」は艶消しの意味でmatte colorと言えばポスターカラーのことです。ポスターカラーも水彩絵具であり、不透明水彩の仲間です。

濃度の違い

違いは平たく言えばパレットに溶かれた絵の具と水の量が多いか少ないかという点です。
透明水彩は薄塗りで美しさを出し、ガッシュは厚く(水分を少なく)塗ることで重厚感を出すことができます。もちろん透明感も出せます。どちらが優れているということでとはなく機能と好みの問題です。

画法の違い

透明水彩は顔料の比率が少ない(糊の比率がガッシュより多い)上にたっぷりの水に溶いて描きます。水彩紙のシワ(シボ)が透けて見えたり下層の色と重ねる「重色」で特有の「透明感」のある表現が得られます。
「にじみ」「ぼかし」「垂らし込み」「マスキング」「バックラン」「シルクベール」などは透明水彩ならではの技法で「ガッシュ」にはない味わいです。

たっぷりの水は描いた後乾燥しますから、水彩紙の上にはわずかな顔料が残されることとなります。この薄い絵の具の層の組み合わせで透明感の外にも、臨場感、スピード感、カジュアルな画肌を感じられます。

不透明水彩(ガッシュ)は黒色の上に黄色や白を置いていくことも普通にします。ポスターカラーやペンキと同じです。
透明水彩絵具では濃く暗い色の上に明るい色を載せてもはっきりしません。無理に載せると発色の効果もなくジュクジュクして良いことはあまりないでしょう。

不透明水彩は上から色を重ねた時下層の色を隠してしまいます。
対して透明水彩は乾いた黄色の上に青を薄く塗ると黄色と青の色が重なって緑に見えます。これを重色と言い透明水彩の重要な技法の一つです。


成分は同じ

主な成分はどちらも 顔料+アラビアガム+防腐剤でほとんど同じです。アラビアガムの比率が20%~30%程とずいぶん多いのが透明水彩絵の具の特徴です。
不透明水彩絵具(ガッシュ)は10%前後と少なく、更に少ないものがポスターカラーです。(もっともっと少なくゼロにして水分をほとんどなくすとパステルに近くなります。)不透明水彩絵具に市販のアラビアガム溶液を混ぜても透明水彩と同じにはならないそうです。念のため。


学童用水彩絵具

では小中学生が使っている水彩絵具は透明水彩か不透明水彩か?といえば中間の「半透明水彩絵具」というところです。
この学童用絵の具は両者の良いところを合わせたものです。小中学生が限られた時間内の授業で「使いやすく、発色も良く、安価で、安全」な教育用画材として改良されてきたものです。新しい画材が開発されてきて「不透明水彩=ガッシュ」という従来のイメージも変わってきています。

「透明水彩絵具セット」の中身は?

画材屋さんやWebサイトで箱入りの「透明水彩絵具セット」を購入したら、その中身を見てみましょう。

クサカベの「透明水彩絵具のセット」は透明、半透明、不透明で分けられています。「肌色=ジョーンブリアン」は不透明絵の具です。

アースカラー(Earthcolor)と呼ばれている一群の色があります。アースは地球(大地)です。ホルベインの透明水彩絵具は原材料を見ると鉄や天然土とあります。主に不透明や半透明の絵の具です。


「黄土色」のように絵具の名前を見ると直接原料につながるものが数多くあります。ネープルスイエローはナポリの黄色=硫化カドニュームでライトレッドは酸化鉄が原料です(ホルベイン)。

インテリアやファッション業界で「アースカラーの新色が」と言っていてもイメージ先行の使用方法ですね。青い空や海の色もアースカラーと呼んでいるようです。

マット水彩絵具(さくらマット)は学童用に使いやすく作られていて白と黒も必ず入っています。

透明水彩では初めから黒色、白色は基本的に使いません。(もちろん積極的に使う人もいますが・・・)白は水彩紙の白色を塗り残し、黒は色味のある暗い色を作ります。例えばウルトラマリンとバーントアンバーを、セピアとイディゴを混色します。

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